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2002年4月18日プロジィクトX 〜挑戦者たち
『夢への挑戦、異種族間意思疎通への希望』
佐藤(毛)「なんでこんな事になっちまったんだ・・・」
狭く、そして見なれない機械的な風景の中で、
カニ達ははただ呆然と俯いていた・・・。
平成十四年四月十一日、
大自然の中を自由に過ごしていたカニ達は、
ほんの小さな判断ミスの為に人間に捕らえられ、
ただ刻々と迫り来る死への恐怖に怯えていた。
山本(タラバ)「なんとか逃げられないのか!」
山本、極度の緊張感に耐えきれず、怒りを、ぶつけた。
石田(松葉)「いまさらどうにもならないよ・・・。」
全てを諦め沈みがちに、石田は言った。
石田「後はただ、煮えた湯に投げ入れられて
全身真っ赤に焼け爛れて死ぬだけだ」
山本「畜生!死にたくねぇ、死にたくねぇよー!!」
取り乱す2匹に向かい佐藤は、叫んだ。
佐藤「ばかろう!希望を捨てるな!
人間だって俺達と同じ生き物だ、きっと、きっと奴等の中にだって、
俺達の苦しみをわかってくれる奴はいるはずだ!
さあ、みんな諦めるな、言葉が通じなくたって、
気持ちを体で表現すればきっと伝わる、カニだって人間だって、
同じ命なんだって絶対にわかってくれるはずだ!!」
そう叫ぶと佐藤は力いっぱい手足を動かし、
命の尊さ、故郷への思い、残してきた妻への愛を
精一杯、力一杯全身で表現した。
山本、石田「・・・佐藤さん・・」
山本と石田は、泣いた。
山本「そうだ!希望は絶対に捨てるな!!」
石田「人間を、人間をもう一度信じてみよう!」
石田賢一35歳、
今まで多くの友と家族を人間達に蹂躙され続けた男が、
もう一度、人間を信じてみようと、決意した。
佐藤、山本、石田「俺達は、俺達は生きている、生きているんだ!
だれか気付いてくれ、もう一度俺達に生きる希望を与えてくれ!!」
男達は懸命に手足を振り、
それぞれの未来への小さな希望を必死に掴もうとした。
その時、一人の人間が佐藤達の前で、立ち止まった。
杉本(人間)「あれ、なんでこのいけすのカニだけ
こんなにバタバタ動いてるのかしら?」
希望の光は、輝いた。
佐藤「そこの人、お願いだ、
もし貴方に命の尊さがほんの少しでも伝わったなら、
俺達を海に返してくれ、頼む、この通りだ!!」
佐藤吉春49歳、
厳しい北の海に生まれ、自分のプライドだけを糧に
生存競争を必死に生き抜いてきた男が、
生まれて初めてプライドを捨て、擦り付ける程に頭を、下げた。
杉本(人間)「・・・すいません店員さん」
杉本は何かを、感じ取った。
杉本(人間)「この生きの良い3匹、茹でて下さい」
杉本裕子32歳、カニ好きだった。
佐藤、山本、石田「うぎゃぁぁぁ〜!!」
希望の光は・・・茹で上がった。
♪テ〜ルラ〜イト ヘ〜ッドラ〜イト
旅は〜まだ終わら〜ない〜♪(エンディング)
男達は生き、そして死んだ。
最後まで諦めず、自分を信じ、人を信じて戦った。
たとえそれが負けと判っていた戦いであっても、
全身が熱湯に包まれるその瞬間まで、
決して希望だけは、捨てなかった。
いつか訪れる夢の世界に一歩ずつ、向かいながら・・・。
語り:田口トモロフ
主題歌:中の島みゆき
製作著作:MHK
『夢への挑戦、異種族間意思疎通への希望』
佐藤(毛)「なんでこんな事になっちまったんだ・・・」
狭く、そして見なれない機械的な風景の中で、
カニ達ははただ呆然と俯いていた・・・。
平成十四年四月十一日、
大自然の中を自由に過ごしていたカニ達は、
ほんの小さな判断ミスの為に人間に捕らえられ、
ただ刻々と迫り来る死への恐怖に怯えていた。
山本(タラバ)「なんとか逃げられないのか!」
山本、極度の緊張感に耐えきれず、怒りを、ぶつけた。
石田(松葉)「いまさらどうにもならないよ・・・。」
全てを諦め沈みがちに、石田は言った。
石田「後はただ、煮えた湯に投げ入れられて
全身真っ赤に焼け爛れて死ぬだけだ」
山本「畜生!死にたくねぇ、死にたくねぇよー!!」
取り乱す2匹に向かい佐藤は、叫んだ。
佐藤「ばかろう!希望を捨てるな!
人間だって俺達と同じ生き物だ、きっと、きっと奴等の中にだって、
俺達の苦しみをわかってくれる奴はいるはずだ!
さあ、みんな諦めるな、言葉が通じなくたって、
気持ちを体で表現すればきっと伝わる、カニだって人間だって、
同じ命なんだって絶対にわかってくれるはずだ!!」
そう叫ぶと佐藤は力いっぱい手足を動かし、
命の尊さ、故郷への思い、残してきた妻への愛を
精一杯、力一杯全身で表現した。
山本、石田「・・・佐藤さん・・」
山本と石田は、泣いた。
山本「そうだ!希望は絶対に捨てるな!!」
石田「人間を、人間をもう一度信じてみよう!」
石田賢一35歳、
今まで多くの友と家族を人間達に蹂躙され続けた男が、
もう一度、人間を信じてみようと、決意した。
佐藤、山本、石田「俺達は、俺達は生きている、生きているんだ!
だれか気付いてくれ、もう一度俺達に生きる希望を与えてくれ!!」
男達は懸命に手足を振り、
それぞれの未来への小さな希望を必死に掴もうとした。
その時、一人の人間が佐藤達の前で、立ち止まった。
杉本(人間)「あれ、なんでこのいけすのカニだけ
こんなにバタバタ動いてるのかしら?」
希望の光は、輝いた。
佐藤「そこの人、お願いだ、
もし貴方に命の尊さがほんの少しでも伝わったなら、
俺達を海に返してくれ、頼む、この通りだ!!」
佐藤吉春49歳、
厳しい北の海に生まれ、自分のプライドだけを糧に
生存競争を必死に生き抜いてきた男が、
生まれて初めてプライドを捨て、擦り付ける程に頭を、下げた。
杉本(人間)「・・・すいません店員さん」
杉本は何かを、感じ取った。
杉本(人間)「この生きの良い3匹、茹でて下さい」
杉本裕子32歳、カニ好きだった。
佐藤、山本、石田「うぎゃぁぁぁ〜!!」
希望の光は・・・茹で上がった。
♪テ〜ルラ〜イト ヘ〜ッドラ〜イト
旅は〜まだ終わら〜ない〜♪(エンディング)
男達は生き、そして死んだ。
最後まで諦めず、自分を信じ、人を信じて戦った。
たとえそれが負けと判っていた戦いであっても、
全身が熱湯に包まれるその瞬間まで、
決して希望だけは、捨てなかった。
いつか訪れる夢の世界に一歩ずつ、向かいながら・・・。
語り:田口トモロフ
主題歌:中の島みゆき
製作著作:MHK
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